「嘘。先生、毎日二宮のとこに通ってさ。
絶対それが私だったら、先生そんな
ことしてくれない。」

「誰だって、一緒さ。そもそも非行に走ってる
時点でマズイことだけど、先生は、将来
みんなが楽しく生活できるように手助け
したいだけなんだ。それに、差別や贔屓なんて
ないよ。先生は、自分のクラスの生徒、
みんなが大好きだ。お前や二宮を含めた
みんなな。」


健人は、何も話を聞かないで、紗和を
疑ったことを後悔した。

たったこれだけのこと、かもしれないけど、
紗和にとっては、大切なことだったのかも
しれない。