私はお母さんに呼ばれて、自分の部屋からリビングへ下りた。

今日の朝ご飯なんだろ♪

できればパンがいいなぁ。ジャムをたっぷりと塗った、昨日買ってきたちょっとお高めのパン。

やっぱ高校の計は入学の日、っていうし(いわないいわない)。


「「おはよう!!」」


お母さんと私の声が被った。

ははっと笑って食卓に着くと、「あら、それ新しいマスカラ?」と尋ねてきた。


「あ、ばれた?」

「だって“進学祝いに買ってー!”って駄々こねてたじゃない」

「あ、あれはー・・・」


お母さんはまだまだ若い。

ちゃんと十代の事情を分かっているのだ。