俺には必要なんだ、お前が。 「苓那なしでは頑張れない。今のままの苓那がそばに居てほしいんだ」 「…バカ颯太」 「うん」 俺のほんとの気持ちを伝えた後、突然苓那の目から涙が流れた。 「不安だったの…。一年間、連絡くれない間にプロで有名になって」 「うん」 「自分も野球できなくなるし…。でもそれを相談したくても、そばにいないし…」 「うん」 「バカ…バカバカ……」 「ごめん、苓那」 何度も何度も俺の胸板を叩きながら泣きじゃくる苓那をそっと抱き締めた。