監督の言葉と同時に、苓那の顔が浮かんだ。

…あいつなら、思うかもしれない。


「まあ人生の先輩からのアドバイスだよ。来年もっと活躍してもらうからな~」


「…失礼します」



一度深々と頭を下げ、急いで苓那に電話をする。


『ただいまおかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか…』



出ない…。今どこにいる…?


とにかく無我夢中で、エナメルを背負って苓那ん家に向かった。