「お前さ、好きな女…居るか?」


「…振られました。つい最近」

「だから寝込んだわけか~。お前を振る女が居るのか」


それで寝込んだわけじゃ…

「どうせ、この一年間ろくに会わなかったんだろ?そりゃあ振られるわな」


「監督はどうなんですか…」


ちょっとムカついた。

監督に俺の何がわかんだよ…


「俺もプロのとき、今の奥さんに振られたよ。一年間野球ばっかしてたら、別れよって言われた」


「…それで?」

「まあ結局結婚したけどな~。あとで聞いたら、不安だったってよ」


「不安?」

「『あなたはどんどん活躍して、あたしを必要としてくれないから~』だってよ」