重力地獄の決闘

「よし、見つけた。これだな」

 キムが探っていたのは、敵が戦闘情報のリンクに使っているセーザー回線だった。

 セーザーは『誘導放射による音波増幅』の略で、簡単に言うとレーザーの音波版である。

 敵のクルーガーは、電磁波が使えない環境において、砂の中と情報リンクするのに、セーザー音を使っていたのだ。

 その正確な周波数が判った途端、キムはイーガーをオートパイロットにして、サイバーサイドへ意識をダイブさせた。