重力地獄の決闘

「なんだ?」

 マックは渡されたカードをちらと見る。

 請求書のようだ。金額は……

「おい、なんだこの金額は、何か多くないか?」

「うん、こちらが負担する宇宙港施設の修理代だって」

「仕事に行く途中に襲われたんだぞ、しかも飛込みの。必要経費として依頼主か、少なくとも労働局の全額負担じゃないのか?」

「表向きは事故扱いだし、やった相手が特定できないんでとりあえずこっちに請求が回って来たんだ。ポリスの捜査が終わって犯人が特定できればそっちにいくらしいけど……無理かもねぇ、やる気なさそうだし」

「この星じゃ企業のほうが力持ってるからな。無理もない」

 マックは事故の事情聴取に来た気の弱そうなポリスの捜査官を思い出して同情した。

「で、それがわるいニュース。2週間以内に支払わないと強制徴収される」

「今こんな金額無いぞ。ったく。で、いいニュースは?」