重力地獄の決闘

「てめぇ、もうちっとましな挨拶ぐらい出来ねぇのかよ!」

 マックがこれ以上ないというくらい不貞腐れて言った。

「なんだよ、せっかくいいニュースを持って来たのに…」

「いいニュース?」

「そう、いいニュース」

 キムは悪戯っぽく笑うとマックの隣りの空いているベッドに腰掛けた。

 4日前まで自分が使っていたベッドの感触を少し楽しみながらキムは言葉を続けた。

「ジャッカルの修理が終わったんだ」

「へぇ、やけに早いな、もう3日ぐらい掛かるかと思ったんだが……」

「うん、そこはさすがに工業惑星だよ、それに労働局のバックもあったからね」

「まっ、こういう時には役に立ってもらわにゃあかなわんな」

「で、これがそのデータ」

「フム」