桃子はいつも言ってた。

「あたし、完璧な男じゃないとダメなの!だって完璧な人がそばに居ればあたしもその人にいつまでも似合うようにって思うでしょ?ヘタレだったらあたしまでヘタレになっちゃうもん。」

ちょっと大袈裟かもしれないけど。


桃子は完璧な男が好きだった。

でも明らかにこの人は

完璧とはいえない。

天然…?変わり者…?

とにかく桃子のタイプとはいえなさそう。

でも本気モードの桃子を見ると

何だか本気みたい。




恋って不思議。







結局二人のいちゃいちゃぶりに着いていけなくなったあたしたちは二人を置いて近くの喫茶店に入ることにした。

ちゃんとお話してみたかったし。

喫茶店の中に流れるバイオリンの音楽はあたしがここでいつも頼むストロベリーティーに合ってる気がした。

孝之くんが頼んだコーヒーのブラックにも。

中学生が洒落たもの飲むじゃんなんて話からあたしたちの会話は始まった。



遠くで電車の音が聞こえる。