「この前は悪かった。オレの勝手なことしちまって…。」

あたしはまっすぐ彼を見つめたんだ。

「あの時、オレびっくりしてあんたを置いて逃げちまった。あれから大丈夫だったか?」

あたしがこくっとうなずくのを確認してから

もう一度あたしに手を差しのべる。



あたしはその手を掴んで引っ張ってもらった。

体制が整った時に、勝手に口が聞いた。




「なんで、あんなことしたの?」


やっぱり夢じゃなかったんだ。

あれは現実だったんだ。






でも……。


彼の言葉を聞いて唖然とした。








気付けばあたしは

学校の門を通っていた。