忠士の顔を見るのは久しぶりだった。その顔には似合わない無精髭があった。

「守、遊びに行かないか?。新装のパチンコ屋があるんだ!」

「忠士、お前パチンコなんかやったっけ?」

「パチンコは確率の問題なんだ。ある一定の周期と、自分の玉を打つリズムを調整してだなあ・・・」

「俺はパチンコなんかやらない」

守はハッキリと言った。
           「そんな、少しは昔のお前に戻れよ!」     
守の予想に反し、忠士は、うすら笑い浮かべて言った。

「いや、本当に遠慮しておく。日曜の模試もあるしな・・・」