「昔は時間なんてどうでもいいと思ってた。けど、今は一分でも自分で管理したいんだ」

「どうして?」

「だって・・・、それって自分で生きてるってことだろ」

「なんか・・・、凄いね」                     雪子は守の顔を見つめて言った。

「凄くないよ。みんな雪子のおかげさ!」

二人は激流の様なスクランブル交差点の中に突っ込んだ。

離れそうになる二人。

守は初めて雪子の手を握りしめた。