冬のための夢

「私、寂しいかったの。一人ぼっちになって、喉が乾いて、唇がカサカサになって・・・、
そうなったら手が自然に向いちゃうの・・・。
小学校の頃かな、初めて万引きしたのは・・・。
私のうちって両親とも働いているの、冬眠前の熊みたいにさ。
だから、万引きして捕まって、警察につき出されて、両親が警察に来て、ほら、しばらくは一人じゃないでしょ!」
女の子は、たどたどしく、守に自分の気持ちを説明してくれた。

それが守にはとって嬉しかった。