冬のための夢

しかし、無駄だった。

彼女は再び俯き、熊を眺めた。

一瞬だったが彼女と見つめ合った。
しかし、その表情を守は読み取ることはできなかった。

とても喉が渇いてきた。
熊は相変わらず、檻の端と端との往復をしている。

守は熊の檻から移動した。
女の子も後からついて来た。


永遠に続くのかな?


俺の受験みたいに・・・。


守は絶望に似た気持ちを抱きながら歩いていた。

おそらく彼女も熊もそうなのだろう・・・。