冬のための夢

守は彼女の心の中を想像してみた。でも、考えてみたところでどうにもならないのだ。

今更、いい人ぶったって何になる・・・。
    
守は決意し、ポケットからチケットを取り出した。

「はい、これ切符。じゃあ行こうか・・・」

守は一人で動物園の中へ入って行った。

“ついて来るんだ”“俺を見るんだ”

守は心の中でそう念じた。

女の子も、ためらいながらも守の後を追いかけるしかなかった。