冬のための夢

女の子は来てくれた。

彼女は普段、駅のホームで見かける地味目な格好ではなく、薄いピンクのワンピースを着ていた。

耳には大きめのピアスさえつけている。

とても綺麗だった。

でも、着なれてなく、とても無理をしている様にも見えた。痛々しくも感じられた。

守は思わず声をかけた。

「よお、来てくれたんだね!」

しかし、彼女は無表情で守を見つめていた。何を考えているのか全く分からない。