本屋の中にはそんなにはお客さんは入ってなかった。

カウンターは2つあり、ニキビ面のバイト風の学生が半分寝ていた。

彼女は、本屋の中をゆっくりと一回りをし、再び歩きだした。       
時々、本棚の前に立ち止まって一点を見つめていた。

彼女が移動してから一体どんな本を見ていたか、確認する守だった。

しかし、彼女が見ていた本には何もルールみたいなものはなかった。

園芸のコーナーで立ち止まるとか、女子バレーのコーナーで立ち止まるとか、会社経営の極意のコーナーで立ち止まるとか、成人向けのHな本の前にだって立ち止まっていた位だった。