「なに言ってやがる、おまえだって二浪のくせして・・・」

この言葉は忠士にとって、言ってはいけない言葉だった。忠士、両手に握り拳をつくり、感情あらわに立ち上がった。
          
「なに、この俺に文句言おうっていうのか!!」
 
「やめろよ、怒るなよ、俺が悪かった。俺はバカ、おまえ天才」

「本気でそう言っているな」

忠士は目を見開いて言った。
めんどくさい奴・・・、守は思ったが口にはしなかった。逆に

「当たり前だろ、なんたって忠士の高校はあの有名私立の・・・」
     
「そうそう、俺はお前とは違うんだ・・・分かってるよな・・・」

守は、ほっとした。