天国島

信仰深いオバサンはガキの頃から教会に通って

教会の窓のフラスコ画や壁に飾られた天使の絵を見て育ってたのよ

光に包まれて雲の合間に舞う天使・・・

オバサンのアイドルだ!

まぁ、オバサンもよく我慢したよなぁ

テメェのアイドルがすぐ傍に、いっつも居たんだ

俺だったら山口モモエちゃんが無防備で近くにいたら

ぜってーサインもらうね!ファンなんですーって、詰め寄ってよ

調子に乗って歌の一曲も歌ってもらうぐれえしてんな

まぁ、オバサンはソレをずーっと我慢してたんだ

うん、もちろん「島民」が互いに、「それは、ダメ!」って監視してたから

我慢もできたんだろうけどよ

けどよ、今、天使とオバサンを見てる奴は誰も居ねぇ

しかもオバサンはアイドルに「神」扱いされてのぼせちまってる

オバサンからは、なんとも言いようのねぇオーラが出てて

それがまた、天使にビンビンに伝わってきやがる

天使はすっかり気圧されちまった・・

「・・・でも」

恥ずかしい・・・天使は頬を赤らめて身を捩ったんだ

その姿がまた、いじらしくって・まさにこれぞ天使!

ってオバサンには見えてよ、もうオバサンの欲望は止められねぇ!

オバサンは恥らう天使の手を引いて、強引に道端の林の奥に連れ込んだんだ

「ここなら誰も見ていないから!」

「天使さんが飛んだなんて、誰にも言いませんから!」

「ね!私たちだけの秘密!その証を見せて!」

オバサンの多少高圧的な懇願のしつこさに、天使も折れちまった・・・