それからりょうくんはこう言った。
『じゃあ今日から優奈は俺の彼女な?』
いきなり呼び捨て!
『・・うん』
『じゃあ、またあとでな』
『うん、ばいばい』
あたしとりょうくんのことはまだ誰も知らないみたい。
あたしはこの事を親友の村上奈々に話した。
『マジでー!よかったじゃん』
『うん、なんか夢見たい』
そう言うと奈々はあたしのほっぺをつまんだ。
『いたた、痛いってば奈々!』
『ほら、夢じゃないでしょ』
そういうとあたし達は笑った。
でもあたしには嬉しさの他に不安もあった。
『どうしたの、優奈?』
『りょうくんモテるからりょうくんの事が好きな女子になんかされたら・・・』
『何言ってんの、そんな事あったらあたしが助けてあげるから』
『ありがと、奈々』
家に帰ってケータイを見たらさっそくメールが来てた。
【りょうだよ、登録よろしく】
そっか、そういえばりょうくんとメアド交換したんだ。
あたしはすぐに返信した。
【了解デス!今日はホントにごめんね】
あたしはもう一度ブレザーの事をあやまった。
すぐに返信が来た。
【そんなに気にするなって。優奈は俺の事なんて呼んでる?】
そっか、まだりょうくんの前で名前呼んだ事なかったんだ。
【あたしはりょうくんって呼んでるよ☆】
【じゃありょうって呼んで】
えっ・・・呼び捨てなんてムリだよー。
しかも付き合って1日目だし。
【えー、ホントにいいの?】
【付き合ってるんだから当たり前だろ?】
あたしは迷ったけどりょうって呼ぶ事にした。
【りょう、今日からよろしくね】
【おぅ。まだ話したいことあるから電話しようぜ】
えぇー・・・電話はちょっと・・・緊張して話せないよー。
プルルルル、プルルルル
そう考えてる間に電話が鳴った。
とりあえず、あたしは電話に出た。