、、っ!!


メイは反射的に走り出した。

そんなことをしたらお兄ちゃんが追いかけて来ることくらい、容易に推測できるはずなのに。


「メイっ!おいっ!待てよ!」

メイの右肩に、お兄ちゃんの大きな手が置かれた。

優しくて柔らかい優くんの手と正反対な、力強くてごつごつした手。


、、メイはバカだね。なんで今、優くんを思い出すの、、?


「メイ」

優しいお兄ちゃんの言葉に、振り返ってしまった。




、、そう。

メイがお兄ちゃんから逃げ切れる、わけがなかったんだ。