沙夜は、ずっと一緒にいてくれた。

だから、そんな彼女に甘えて、メイは何も言わずに泣いた。

泣いて、泣いて、泣きまくった。

泣いても現実が変わらないことなんて分かってるのにね、、?

メイはバカだから、泣くことしかできないの。


―ガチャ

突然、扉が開いて、、

「沙夜!」

扉の奥から、司くんが顔を覗いた。

「、、司?」

メイを見ていた沙夜が振り向く。

「ぅん、ちょっとぃい?」
「ぇ、、ぅん。」


行かないで…

なんて、言葉にできるわけもなく、沙夜は司くんに着いて行った。


司くんも、メイと同じショックを持ってるんだろーなー、、。

でも、司くんに気を遣ってる暇はなかった。

司くんに気を遣うくらいなら、、その前に優くんを返して欲しかった。

、、バカだね、メイは。

まだ、優くんを取られたと決まったわけじゃないのに。


罪悪感なんて感じなかった。

メイは、沙夜と司くんを追いかけた。


「沙夜。」

「ん、、?」

「優と一緒に寝たって本当?」

その言葉に、息が止まりそうになった。

強いね、司くんは。

メイは、その質問を、したくてしたくて仕方なかったけど、沙夜にも優くんにもできなかったよ。


“違うょ”

そんな言葉が欲しくて、祈るような気持ちになった。

「、、、!!」

遠くからでも、沙夜が動揺したのが分かった。


無残にも、メイの祈りは通ずなかったんだ。

「沙夜、、なんで、、?」

「優くん、、」

「優が何?」


「、、ぁたし、優くんとこ行ってくるっ!!!」



―突然駆け出した沙夜が向かう先は、

メイじゃなくて

優。


なんで、、?

一番にメイに、話してくれないの、、、?


どうして、、?

優くんのことがこんなにも好きなのに、、、。

諦めなくちゃダメですか、、、?