種。
そう、種よ。きっと種さえ無くなれば私は楽になれる。
私の、 憎しみの種。
「私の。恨みの種。」
ボソッとつぶやく。
ふいに周りを見てみると、
そこはまったく知らない土地だった。
愛朱は自分が通学バックを持っていることに気づく。
・・通学バックがある、ということは登校中だったのだろうか?
だとしたら、知った場所のはずだが、全く見たことも無い場所だ。
しばらく歩いてみても景色は変わらないままだ。
ただ、視界が少しぼんやりしてきた。
霧?
霧。しかも少し紫がかった霧。
ありえない・・こんなの。

なんだかだんだん気が遠くなってきて・・・・・


~○~。○。~



目を開けるとそこは自分の部屋だった。
あ、れ?・・たしか、私??

「あなたの恨み代行します♪」

「え?」

忘れようとした台詞が聞こえた。・・幼いような、男の子の声?


「惜しかったですね、もうちょっとだったのに」

どこから・・?誰が? なんで?
珍しく愛朱パニックになる。

「あっれぇ?聞こえるの?すごいですね!」
気楽そうな声。いったい。。

「おじゃましました。」
それから間をあけ一言。

「あなたの恨み、代行します♪」