時はどんどん過ぎていき、本格的に秋になった頃。
「東~」
「大奏、どした?」
大奏ですか……。
そう、最近の悩み。東は私のこと名前で呼んでくれませんっ!!
海さんに相談したら『自然に名前呼びになるって、大丈夫大丈夫』だったし……。
いや、私も東って苗字呼びだしな……。あ、秋人なんて恥ずかしくて呼べない……!
「しつれーしまっす、みずかいるー?」
ドア付近で心の声がする。
わざわざ別教室から来たのか……。
「心じゃん、どした?」
私の席はドアから近い位置にあるので椅子に座ったまま心に話しかける。
「あれ、みずか。東くんと席近……」
「うるっさいっ!!」
「照れるなって」
……照れてねぇよ。ただみんなに隠すのに必死なのです。
「彼氏と席が近くなんていいね」
ほんと、どこの学園ラブコメだよ。っておい。
心の声が少し大きかったせいか周りのみんなが気づき始める。
「あれー、みんな知らないの?東くんとみずかちゃんが付き合ってるって」
そこに緋未ちゃんがやってきて言う。
ああ、終わった。