「どこ座る?」
「一番後ろの窓側で」
東即答。すぐに答えてくれるから助かる。
「あーっ眠い!!」
数分は二人して眠い眠いとしか言わなかった。
バスの中で、東と色々な話をした。……眠い以外にね。
「お前ジャンケ弱いよな」
いきなり何を……。
「東に言われたくないねー」
「ええ。まぁいいや。ジャンケンってさチョキが一番強くね?」
いやいや、ジャンケンに一番強いとかないですから。
とか思いつつ答える私。
「いやぁ、グーでしょ。カッコイイし」
「チョキまじつえーよ??」
他の乗客はみんな頭にハテナを浮かべている。
まぁ当たり前か。どこから見てもカップルとしか見えない私たちの話の内容がジャンケンだもんね……。
ていうか、私はカップルっていうより仲いい男女みたいにしか思ってないけどね。
