「お兄ちゃん達、やっと見つけたーっ!!」
タオルを片手に、緋未ちゃんが私達の所へやってきた。
やっぱり緋未ちゃんの笑顔が眩しい……。
「はい、みずかちゃん」
そう言って私にタオルを差し出してきた。
「え?」
「ちょっとでも拭けば寒くなくなるかなと思って、使ってね」
そしてまたニコっと笑う。
この兄妹優しすぎる。私もこうやって人に優しく出来たらいいのに、と思った。
「後、犬はアタシが預かっていいかな。家まで犬連れて行くよ」
すっごい気が利く……。
嬉し過ぎて瞳が少しだけ潤んだ。
「お願いしていい?緋未ちゃん」
「もちろん」
そんな会話を交わしてる時、海さんは私の頭にスポっと音がしたようにヘルメットをかぶせた。
「じゃあ、緋未。犬をお願い。そしてみずか!早く乗って」
「はい!!」
「犬は無事にアタシが連れて行くので心配せず~」
