水に入るとそんなに冷たいわけでもなく、とても気持ちよかった。



浅い所でラナと遊ぼう、そう思っていたがラナは私のことなんかお構いなしにどんどん深い所に進んでいく。


「らな……これ以上い……あああああっ」

膝上ぐらい水が深い所にきたとき、水圧にまけて派手に転んだ。


石が少なく砂が多かったことと、リードはつかんだまま。というのがまだマシだった。


しかし服はびっちょり。
暑いと言うものの、やっぱり服が濡れると肌寒く感じた。


とりあえず起き上がり、犬を抱えながら川を出て日なたに座った。


「どーしよう、やっぱりこのまま家に帰るか。それとも……」


一人でどうしようか迷っていると「みずか?」と海さんの声がした。


「海さーん……」


「どうしたのみずか……って、服びっちょりじゃん。早く着替えなきゃ!!」


海さんは自分のことのように焦って言う。

「んじゃ着替えますかね……、このまま帰るの頑張ります!またねです海さん」

ペコっとお辞儀をして帰ろうとすると「待って、何で帰るの?」と聞かれた。


「歩きですよー」