「ねえ、お姉ちゃん、あそこの病院、いるよね」

軽い気持ちで言ったあの一言から、事件は始まっていたのかもしれません。

「それがどうしたの?」

「気にならない?」

そう言った私の顔を姉は呆れた顔で覗き込んだ。

「あんたさ、あそこにいるってわかってるんでしょ?」

「うん。でもやっぱり気になるじゃん」

「じゃあ確かめる?」

呆れた顔のまま、姉は私にそう言った。

「うん!」

そう言って私と姉は廃病院へと向かった。