愛なんて知らない Ⅰ











私から手を離してままは走っていった








「別に殺してもよかったのに」





私は小さい声でそう言った







その夜事件は起こった







「ねぇ愛美」






ままが初めて私の名前を呼んでくれた






「なに?」






「普通じゃないわよね」






「私にはこれが普通だよ」