なんで?
どうして?
彼女はわたしでしょ?
「瑠璃?さっきの…「このとんちきショー!!」
いつの間にか、固まっていた私は陸斗がいなくなった後、外に向かって叫んでいた。
下にいた生徒は「なんだ、なんだ」と集まってくる。
「瑠璃、こっちおいで」
私は、下唇を噛みながら海斗に抱きかかえられる。
「ぅぅ~……」
「唸らないの。泣きたいなら泣け」
「ばかいとぉお…」
「今日は、許そう」
そのまま、教室を出る。
あとからついてくる深雪はオロオロとしている。
「おいっ、白鳥」
「え?」
「俺、こいつつれて昼飯食っとくからさ。お前は雅樹とでも食えば?」
「…今日は感謝」
「こちらこそ」
意味わからない話しをした2人は含み笑い。
深雪は再び教室へと帰っていく。
「瑠璃。俺んち来るか?」
「か”い”どぉおおお”…ぅ、ふ」
海斗は私に甘いと思う。
これだけのルックスなんだから彼女だっていて当たり前なはず。
なのに、私を優先するのはなぜだろう?
そんな優しい海斗に甘えているのは私だけど…。
優しい…んだ。
海斗は…。
海斗が甘いんじゃなくて、私が海斗に‘甘えてる’のか…。
