屋上の扉を開くとギィーっと嫌な音がして、それと同時に生温い風が僕と黒ちゃんの肌を包み込む。

「あれ、何で私ここにいるの?」

睡魔との格闘に打ち勝ったらしき黒ちゃんが、当たり前の様に僕に質問する。

「黒ちゃん、授業中寝てたから僕が連れてきたんだよ」

「つまり駆け落ちか!」

違うから。駆け落ちじゃなくて脱走ならはなまるあげるんだけどね。

僕と黒ちゃんは日向に出ると地べたに座った。向き合う形で。

「むにむにーっ」

黒ちゃんが僕の頬をつまんで引っ張る。

「いふぁいんらふぇろ。」

「んー?」

おかしいなー…黒ちゃんと白くんの間には必ず通じる電波があるはずなんだけどなー、ソンナモノナイケドー。