まだ夏の暑い時期、あたしは白いTシャツと黒いパンツとスニーカーだったと思う

小さい街だが人は多く、この街で住んでた頃とはだいぶ街の雰囲気は変わっていたけど懐かしい建物が幾つか残っていて嬉しかった

約束通り、シンジくんの家の前に着くとシンジくんはタバコを吸いながら暑そうに立っていた。白いTシャツとチェックのシャツにジーパン


「お~久しぶり~お前雰囲気変わったね」


「もう何年も前やもん(笑)」


ただそれだけの会話で久しぶりの再会を果たした後、シンジくんはコンビニに行こうと言う


「歩いて行かん?」


「暑いよ?」

「いいよ、歩いて行こ」


10分程歩いた所にあるコンビニに行く

その間、ここ何年かの事を話した。シンジくんも照れているみたいであたしはサングラスをかけていてよかった。あたしの目は少しの緊張でまともに目を見れなかったから。


シンジくんは何年もサーフィンをしていて、夜は1ヶ月程前にオープンさせた自分の店で働いているという。

しばらく見ないうちにすっかり大人になったシンジくんのそんな普通の話しに聞き入ってあたしは今日来た目的、大麻を吸う事なんてすっかり忘れてしまっていた。



コンビニに入るとシンジくんは迷わず2リットルの水と1リットルの水を買う

「それだけ?」

「喉乾くからね」

「甘いの食べたいな」

「何でも好きなの買いや」


あたしはプリンやジュースを買った



そこからまた10分かけてシンジくんの家に向かう。太陽は眩しく、背中も少し汗ばむ。道路や道には人が溢れていてすごく普通だった。まだ2人共少し緊張してあまり話せなかったけれど






これも懐かしい建物、シンジくんの家

親は隣の家に住んでると言ってた。隣とは行っても小さい道路を挟んだ向かいの家。シンジくんの親が住んでる家は大きくて、シンジくんが住んでるこの家は少し小さくて古い2階建てだった。
階段を上がる度にギシギシと音を立てる


1階は小さい台所と、お風呂場。後は物置のようにバイクや色んな物でいっぱいだった


「ここ~、俺の部屋」


午後2時、シンジくんの部屋に入るなり甘ったるいお香の残り香が鼻について独特の雰囲気を作り出す。

カーテンは閉められ、その隙間から太陽の光が差し込んでいて綺麗だった

2人でベッドの下の床に腰を下ろす。