「アサカー、アサカー」
なに……。
まだ眠いの……。
「アサカぁ……」
んー。
まだ……。
―ゴスッ
「いった……!!」
突然の下腹部への痛みで、一気に目が覚めた。
涙目になりながら痛みの原因を見ると、
「ど、どうしたんですか、珍獣さん……」
あたしのお腹の上に顔を打ち付けたかのようにぐったりとなる珍獣さん。
「お、お腹、すいた……」
「へっ?」
今何時!?
そう思って携帯の画面を見ると。
「うそ……!」
朝の9時半。
あたしはどうやら半日以上眠っていたみたいで。
「ご、ごめんなさい珍獣さん!
今すぐ何か作りますからっ……!」
慌てて珍獣さんの手を引っぱって起き上がらせて、あたしはキッチンへ急いだ。
相当爆睡してたあたしの髪とか服は見れた物じゃなくて。
でもそんなことより、弱り切った珍獣さんに申し訳なかった。
ごめんなさいっ!
急いでフライパンに火をかけたりしていると、また背後に珍獣さんの気配。
「どうしたんですか?」
「んー、見てて、いい?」
「良いですけど……」
彼の行動は本当に子供みたいだと思った。
お母さんに甘える、子供みたい。