恋に惑う吸血鬼



ふふ、仁王君って面白い人だなー。



『ただいま~!!』



ってあれ?靴の数が1つ多い…誰か遊びに来てるのかな。



リビングに行ってみると…



「姉さんお帰りー。」

「弓弦先輩、お邪魔してまーすっ!!」



そこにはテレビゲームをしている弟の耕介とその友達の切原赤也君がいた。



そういえば、耕介がサッカー部で赤也君がテニス部の新しい部長になったって聞いたけど、今日は部活ないのかな??



『2人とも今日は部活ないの??』



2人はゲームを中断して振り返った。



「たまたま部活が休みだったんスよ!!」

「そうだったんだ、なるほど。」



そりゃ、そうだよね…。



「姉さん、今日何か良い事でもあった?」

『なんでー?』

「…弟の勘」

『やっぱり分かる??今日ね、新しい友達が出来たの!!ちょっと変な人なんだけどねー。』

「ふうん。」

「どんな人ッスか!?」



耕介に比べて赤也君はリアクションがいいなぁ。



うーん、言っていいのかな。


変な誤解とかされそうだけど、2人とも興味津々って感じだし…。



『仁王雅治…。』



瞬間、2人の目つきが変わったような気がした。



…気のせい??



「姉さん…その人と付き合う事にでもなった?」



いつも冷静な耕介が少し、動揺してる。



『だから、ただの友達だって。大袈裟だなぁ、あはは』

「そう。姉さん、気をつけて。そいつ…」




「おい、耕介ッ!!!」




「ごめん、赤也。」



2人ともどうしたんだろう…。



それからしばらくして、赤也君は帰って行った。



「姉さん、さっきはごめん。少し取り乱した。


だけど、さっきも言ったけど仁王雅治には気をつけて…


仁王だけじゃない。



丸井や赤也にだって…。」



そう言って耕介は自分の部屋に戻って行ってしまった。



どういう意味なの…??