恋に惑う吸血鬼




「弓弦、教室に入りんしゃい??」

『うん…』




渋々、私は仁王君に連れられて一緒に教室に入る事にした。





……こうなったら、とことん仁王君に質問してあげるわ。





それにしても…さっきの女子は何処かな。





「とりあえず、座らん?」

『うん』




まずは……。




『仁王君、この状況について説明してよ』

「説明って言われてものぅ…」




このあの紅い色をした瞳が



…少し、怖い。







「…お前さんの想像通り、俺は吸血鬼じゃよ」




仁王君は妖しく笑う。




その様がまさに吸血鬼って感じだ。






でも、どうして……??





「…どうしてって、





…呪い




とでも言っておこうかのぅ」




『呪い…。』





……って、今、私《どうして》なんて口に出して言ってない…。





『に、にお、うくん…心の中を、読め、るの??』


「読めるよ?それにしてもお前さん、さっきから《に、仁王君》って。ちゃんと呼んでくれんかの??」





なんだろ…。





何か、ヘン。





何故だろう…。




この姿の仁王君を見てると…変な気持ちに、なる。






―気持ち悪くなる、変な感じになる―