恋に惑う吸血鬼



ここ本当に3-B!?


どうみても教室の上のプレートには3-Bと書かれている。



「まさ、は・・・る・・・やんッ!!」



何が《やんッ》だー!!



なんかこっちまで恥ずかしくなってきた・・・。



・・・あれ、ちょっと待って。



今、女子何て言った??



《雅治》って言ったよね。



私、この学校で雅治なんて名前の人仁王君しか知らない…。



だいたい、私がペンケース忘れて再登校する日って何かしら仁王君、教室で何かしてるよね??




中では何が起こっているんだろう…。




……大体想像はつくけれど……見たい。





いやいや、見ちゃいけないよ・・・






でも・・・・・・





本当に仁王君なのかな??






………うむ






・・・・・・見ちゃえ!!






………そんな。







本当に・・・







・・・・・・仁王君だ。






・・・・・・え、待って・・・。









仁王君・・・女子の首筋に吸い付いて、血、を吸って、る??









そんな。


ありえない・・・。



これじゃあ、空想の世界に出てくる吸血鬼と丸っきり一緒じゃないか。




仁王君の瞳・・・血みたいな紅い色をしてる・・・。




普段って・・・こんな瞳の色だった??







瞬間、私は彼と目が合った。







・・・その真紅の色をした瞳の仁王君と。