恋に惑う吸血鬼




とりあえず、好きなアーティストのCDを手に取ってみる。



『この人新曲出したんだ!!』

「弓弦はこういうのが好みなんか。」

『この人ね、普段はノリノリの曲ばかりなんだけど、時々バラード系の曲も出すの』

「アイドルグループとかのは聴かないんか??」

『うん。』



こういうグループのファンとか苦手かな、と付け足す。



『ねぇ、仁王君はどんなのが好き??』



すると、仁王君は歩き出して別のジャンルの所に向かった。



『これって…ジャズ??』



仁王君って感じだ。


でも、ジャズってあんまり聴いた事ないからなぁ。


あーでも、興味はあるかも。



「お前さんさえ良かったら、ジャズ系のCD貸すけど」

『ホント!?私、ジャズってあんまり聴いた事無いから良く分からないんだけど…。』

「お前さんに良さそうなの探しとく」

『ありがとう!!』



しばらくして、店を出た。



「CD買わなかったんじゃな。」

『うん、今日はいいかな。仁王君が貸してくれるみたいだからねぇ』



バサッ



その時、仁王君にクシャクシャ頭を撫でられた。



「弓弦、顔が赤いぜよ」

『だ、だって…頭とか撫でられるの恥ずかしいし、あんまりされないし…。』



もっとしてやろうか、とさらにグシャグシャされた。


もうっ、人だって沢山歩いてるのに…。



『これじゃあ、カップルみたいじゃない。』

「もっと、くっつく??」

『私は松本さんと違って彼女じゃないんだよ。』

「あ、前々から思っとったんじゃけどアイツ松本じゃなかよ??」



え…


え、松本さんじゃないの??


じゃあ、だれ??