最後のメール nonfiction ホスト's love story


リナコ、メール「びっくりした!!あんまりお姉さんをからかわないの笑」

リナコ、メール「もう仕事終わった?」

以外にも来ていた二通のメールを読み返し、自分の乱れた呼吸を感じ、夢で無いことを確かめた僕は、震える手で何度も間違いながらメールをした。

僕、メール「ごめん、我慢できなくて。嫌いになった?」

リナコ、メール「なるわけないじゃん笑、それも手でしょ?ホストって怖いね笑」

ああ、やっぱりホストのヤルコトという括りで、捉えらてたのか、、、
ただの男としてしたのに、、、

長い間した稼業。そう思われるのは慣れっこだが、彼女にだけはそう思われると辛かった。かといって、その立場を利用して冷静を演じ切ろうとしてる自分は本当汚い。

僕、メール「よかった、また明日ね!」

リナコ、メール「わかったよー、おやすみ」

夢の様な彼女とのメールだけの時間が過ぎ、ほっ、と胸をなで降ろした僕は、タバコを二本吸い、再び、ホストとしてやらなければならない事を思い出し、店を出て、タクシーに乗り込んだ。

業界用語の『客周り』だ。