「成瀬くん、帰ろ…っていないじゃん」 放課後、重い足取りで教室まで迎えに行ったのに、教室には誰一人と姿が見えない。 どこ行った? しばらく待つが戻ってくる気配がなく、下駄箱に向かうことにした。 昼休みのことがちょっと気まずいから、いなくて良かったかも。 「あ、あの…!」 安心したと同時に突然声をかけられた。 「ん?私…かな?」 周りをキョロキョロと確認し、自分を指差すと彼にブンブンと首を縦に振られた。