翌日の昼休み、急いで空き教室へと向かう。 体育の授業だったせいで時間が遅くなってしまった。 ドアを開けようとした時、中から声が聞こえてきた。 「……だから……遊び…だろ……嘘……ゲーム…」 成瀬くんの声? 少しドアを開けて隙間から中を覗くと、成瀬くんが電話で誰かと話していた。 誰と話してんだろ? 口調が王子様じゃない、私と話す時と同じ口調。 「本気だって…って、悪ぃ、切るわ」 ドアの前に立つ人の気配に気付いたのか、慌てて電話を切った。