嘘から始まる恋




「はい」


「…何でしょう?」


首を傾げると純ちゃんが「おんぶだよ」と横から言ってきた。



「いやいや!おんぶだなんていいよ!」


ましてや純ちゃんの彼氏におんぶしてもらうだなんて!



「理子ちゃん熱あるんだから、無理したらダメだよ」


遠慮しないって微笑む。


純ちゃんはいいの!?って目で純ちゃんを見るが、早くおんぶしてもらえと顔に書かれていた。


怖い…。



「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」


二人の好意に甘えておんぶして家まで送ってもらうことにした。



「重いよ…」


「大丈夫。理子ちゃん小柄だから」


ははって笑っておんぶをし、保健室を後にした。



微妙に揺れる感覚と裕也くんの背中の体温が心地好くて、ゆっくり眠りの世界へと引き込まれていった。