あの時、悠希からの電話を聞かれた時、本当は余裕なんてなかった。



『理子ちゃんとどうなの?進展あった?』


「…あるのかないのか」


今のままでもいいと思う自分もいる。



『なに?もしかして遊びとか?』


「本気だから。遊びなわけないだろ。嘘ついたけど、ゲームじゃない」


楽しそうに話す悠希にムッとし、少しキレた。



『冗談だろ』


「お前は楽しんで見えんだよ」


この会話を理子がずっと覚えてたことにびっくりした。


どうして俺らが賭けをしてたのか、俺の骨折がどうして嘘だったのを知っているのか、色々な疑問はあった。


でも、そんなこと関係なくて、理子が俺から離れていったことにかなり落ち込んだ。