嘘から始まる恋




「何でいんの?」


折角迎えに来てくれた理子を嫌がるような言い方しか出来なかった。



「あ、あの…まだ一ヶ月経ってないから…その…」


それだけ?


足、治ってんだけど。


つーか理子と距離置いたら、松葉杖とか面倒臭くて止めたんだけどな。



「…ふ〜ん」


俺は不機嫌そうに言うと歩きだした。


「お、お昼休みも会える?」


理子の声に振り返ると、顔を真っ赤にした理子が俺を見つめていた。



「なんで?」


「えっ?」


「どうして昼休み会いたいの?」


俺とどうして会いたいの?


ジーッと理子の目を見つめ尋ねる。



「…その、成瀬くんが…」


口ごもり何も言ってくれない理子にちょっと腹が立った。



「…行かない」


気付けばそんな言葉を吐いてた。