嘘から始まる恋




この日、俺は理子と帰ることなく、空き教室で悠希と電話をしていた。


理子が告白されてるとも知らずに。



「好きって言えねぇ…」


『何だよ、その報告…』


「でもキスしたくて仕方がねぇの!どうしたらいい?」


『…お前は野獣か』


呆れた声の悠希に言葉を続ける。



「あ〜…、距離置くとか無理」


『無理じゃない!頑張れ、瞬!』


距離置くことって頑張ることなのか?



『じゃあな。俺、忙しいから切るぞ』


そう言ってブチッと電話は切れた。


悠希のやつ、冷てぇ…。



そして距離を置いた途端、理子は俺を見てくれていることを実感したが、変な男も現れた。


そいつと仲良くなっていく理子にイライラして、理子にあたってしまった。