嘘から始まる恋




「俺は逃げられるに一票」


「俺も〜。お前、意地悪だし」


楽しそうに失礼なことをサラリと言う春樹と雄介。


意地悪って…お前らには言われたくねぇよ。



「瞬、お前一回、距離置いてみろ」


「距離?」


「いきなりお前が冷たくなったら相手が気になるだろ?」


悠希の提案で俺は理子と距離を置くことにした。



そう決めたのに風邪が治って、久しぶりに学校に来た理子を見ると可愛くて抱きしめたくて、キスをしてしまう。



「成瀬くんはどうして私とキスするの?」


この質問にどう答えるべきか迷って、「ずっとキスしたかったから」なんて曖昧なことを答えてしまった。



「好き」だから…ってたったその一言が言えなかった。