嘘から始まる恋




「理子、何かあった?」


目を腫らしている私に気付いてか、心配して顔を覗いてくる純ちゃん。



「…ううん」


そう答えながらも涙が溢れてくる。


あの後、私が泣き止むまで成瀬くんは傍にいてくれた。


でもいつもと違う成瀬くんが怖かった。


意地悪とか冗談とかじゃなくて、本気だった…。



「保健室行く?」


純ちゃんの言葉にコクンと頷く。


教室で泣いてたら変に思われちゃう…。


純ちゃんに付き添ってもらいながら保健室へと向かう。


階段を降りようとしたとこで私は思わず立ち止まってしまった。