嘘から始まる恋




「…や…っん」


苦しくなってきた。


成瀬くんの唇が離れた隙に息をする…間もなく、待ってましたと言わんばかりに、成瀬くんの舌が入ってきた。



「んんっ!」


な、なに!?


いつもみたいなキスじゃないよ!!



「…んっ、ふぁ…」


乱暴なキスが怖い。


キスが終わったかと思うと、成瀬くんの舌が首筋を舐めた。


首元に顔を埋める成瀬くんの行為にビクッとする。



「……めて」


怖い、怖いよ…!


「お願いだから…止めて…」


涙が溢れ出すのを止めることが出来ずに、私は泣き出してしまった。


泣き声をあげる私に気付いたのか、成瀬くんは動きを止めて、私を見つめていた。



「…泣くなよ」


頬を流れる涙を拭いながら、いつもの口調で言う。



「ごめん…やり過ぎた」


そう言って泣き続ける私を優しく抱きしめた。