「嫌ならバラすだけだから、いいけど?」


ニヤッと不適な笑みを浮かべ、顔を近づけてくる。


その距離5cmあるかないか。



こいつ、性格悪すぎ!!


でもバラされて面倒なことになるのも嫌だ…。


たった一ヶ月我慢したら解放されるんだ。



「…いいよ。目ぇ閉じて」


そう言うと成瀬くんは少しの間の後、目を閉じた。



触れるか触れないかぐらいのキスをした。



成瀬くんは「ごちそうさん」と意地悪な笑みを残して、教室を出ていった。


私は力が抜けて、ペタンと座り込んでしまった。



これでいいんだ…。


たった一ヶ月の我慢だもん。


「…っ〜…ふぁ〜…」


涙が溢れ出す。



でも、やっぱりファーストキスは好きな人としたかった…。