嘘から始まる恋




「何で勝手にバラしたの?」


帰り道、成瀬くんを睨むように見つめる。


すると成瀬くんは足を止め、繋いでる反対の手で頬を掴んだ。



「お前が悪い」


「にゃんで?」


動かしにくい口を動かしながら話す。



「付き合ってるの黙ってたから」


うっ…、そうだけど。


でもでも勝手に言わなくても。



「友達なんだから別にいいだろ?」


頬から手を離し面倒臭そうに言われる。



「…でも純ちゃんにはちゃんと自分の口から言いたかったんだもん」


そう言って俯くと成瀬くんは溜め息を吐き、名前を呼んだ。