嘘から始まる恋



「あ、純ちゃん!」


「な、なに」


突然大声を出す私にビクッとする。



「その、成瀬くんの…」


「付き合ってること?大丈夫、黙っとくよ」


「うん。それもなんだけどね、その〜…成瀬くんの性格のことなんだけど…」


「性格?」


あれ?忘れてる?



「あー、意地悪でキスしてくるってこと?」


「そ、そう!これも内緒にしといてくれる?ファンのコが知ったらショック受けるだろうし…」


やっぱり覚えてたよねぇ…。



「大丈夫、言わないよ」


「本当!?ありがと!で、でも純ちゃんはショック受けたんじゃない…?」


「う〜ん…、意外とそうでもないかも」


そうなんだ、良かった。


安心したと同時に授業開始のチャイムが鳴った。


純ちゃんは「いいな〜」と言いながら席に戻って行った。



でも変な形で純ちゃんと裕也くんにバレちゃったな…。